JASRAC 問われる存在意義

日本音楽著作権協会が音楽教室から著作権料を徴収する方針を固めたことでマスコミ数社が報じいます。そういえばちょうど先日、私のもとにジャスラックから督促状が来ていました。年末に行ったコンサートで一部の曲目が著作権料徴収の対象だったのです。NHKの受信料の時もそうですが、「音楽文化をまもる」の封筒を見だけでドキッとします。NHKの場合はコンテンツがあるだけにまだ納得はできるのだけれど。それにしても、ほぼ身内で行った小さなコンサートなのにどこで調べたのだろう。「作曲家の死後50年」という文言だけは知っているので、とりあえずそれ以前の曲目なら問題ない話なのです。しかし、今回は思いもよらない曲がひっかかっていました。作曲家先生が結構長生きされていたという訳で。まあ、これは私の不注意ですから督促に従って二千円程払って済みました。
ところが今回報じられたニュースはどうでしょうか。音楽教室ではバッハやベートーヴェンなどクラシック音楽が教材として用いられる一方で、有名な映画音楽やポップスが使われることもあるでしょう。楽譜に使用されている場合は当然私たちユーザーは著作権料を含めた代金を支払っていますよね。それなのに今度は、それをレッスンで弾く行為においてもお金を取ろうというのです。これは、何か違うのでは。しかもその金額がJASRACが求めるところ月謝の2.5パーセント。ヤマハとカワイの二社だけでその徴収額はおよそ20億円近くにのぼるというから驚きです。何とも解せませんね。J-POPの最盛期に比べるとJASRACの収益が激減していることは用意に想像がつきますが、その穴埋めとして音楽教育産業がターゲットになる時代。なんだか世の中がぎすぎすしてしまって、嫌な感じですね。「音楽文化を守る」ために、やはりここは抜本的な組織改革しか残された道はないのではないかと、個人的には思います。そして、一般の企業や個人が努力しているように音楽文化を育てる事業にエネルギーを注いで欲しいものです。