タッチの好み

しとしと雨が降り続く梅雨の合間に警固のレッスン室に置いているディアパソンを調律しました。鍵盤のばらつきが気になるようになっていたので、これを機に0.2グラム重く調整して頂きました。タッチの好みというのも人それぞれ。粘り強いタッチが好きな人もいれば、軽やかなタッチが好きな人もいる。また、レパートリーが増えると弾く曲に応じてタッチを変えたいというのも、ピアニストの自然な欲求でしょうね。ブラームスを弾く時には重く指にしっかりと抵抗するように、ドビュッシーを弾くときには軽く音の粒がはっきりと立ちあがるように、といった具合に。

 

レッスン室のディアパソンは本来しっかりめのタッチだったものを軽く俊敏に反応するよう改良してあって、特にドビュッシーには向いていると自負しております。音が混ざり合ったときにスーっと水平に広がるような響きが、なんだか心地いいのです。そんないいところがあるディパソン君ですが、僕が最近取り組んでいるレパートリーがバッハ、モーツァルト中心で、原点回帰する方向にあります。となると、音の粒立ちの良さとタッチの均一性を求めたくなるのですね。全てを一台に求めるのは無茶な話です。でも、もし仮にオールマイティの一台を選べと言われたらスタインウェイを選ぶべきだと思います。(もちろん、値がぐっと張りますけどね)

 

久しぶりの投稿でピアノのマニアックな面が強調される結果となりましたが、これからも時折更新したいと思います。なにせ最近は書く暇が無くなってしまって。