ドイツのロシアのピアノ教育

表紙はピアノを弾くクマの親子。これ、ロシアで定番のピアノ教本です。2週間くらい前にアマゾンで注文して、今日届きました。赤が1巻で、青が2巻。そして緑はいろいろな時代からセレクトした曲集になっています。2巻は何故か別送とのことで、まだ手元にありません。表紙絵は3巻とも全部同じで、中身には何もイラストはなく至ってシンプル。海外発送のため少し割高だったけど、本の価格は分厚さと内容量に比べればかなり安い。これが数多くの名ピアニストを生み続けるロシアのピアノ教本。タイトル。「DIE RUSSISCHE KLAVIERSCHULE」ドイツ語に翻訳されたもので、1999年に出版されています。ドイツ人って教育を体系化するのがすごく好きですね。バイエル、チェルニー、ブルグミュラーもドイツ人。サッカーでもそう。世界で活躍している監督、トレーナーの多くはドイツで研修を受けて、指導者資格を取得しています。岡田監督もその一人じゃなかったっけ。

 

序文の頭に読みたい文が書いてありました。ネイガウス曰く(ロシアの歴史的ピアノ教育者)、「芸術性の形成は、はじめのレッスンで音を学ぶときから始まる。子供がとてもやさしいメロディーをまねする時、それは表現豊かになるように努めなければならないし、メロディーの性格を一致させなければならない」なるほど。そして序文は続きます。すごく簡略すると、よくある間違った初歩のピアノレッスンは、楽譜に書いてあることを直ぐにピアノで再現させる。読む→弾く→聴く。これでは、弾く前に音を想像する課程が欠落するので音楽性が育たない。そうではなく、読む→聴く→弾くの順番になるようにレッスンを進めるべきである。そして序文の最後はこう結んである。「レッスンの最初の年の終わりには五本の指を使い、広い音域でのポジショニング、両手の交差、スケールを長調で4か5種類を平行、シンメトリーで、短調で2か3種類を平行で、短いアルペッジョ、三和音、手首のスタッカート、手の跳躍を習得する。そうすれば簡単な伴奏とメロディーが、とても簡単な2声の対位法が弾けるだろう」そりゃそうでしょ。最初の一年でというところに、ロシア英才教育の凄みを感じます。早い時期に運動のすべてを無理なく取り入れるという点では納得です。その通り。

 

この序文は耳が痛いです。今、日本の楽器店に並ぶピアノ初歩教材のほとんどは、最初のページで「ドのイチはココデスヨ」と言っているじゃないの。しかも馴染めないイラスト付きでテカテカした表紙が何冊も何冊も。なんで?なんでこの教本が見つからないの?翻訳の仕事来ないかな。

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コメント: 2
  • #1

    西尾洋 (月曜日, 12 11月 2012 23:06)

    お久しぶりです。元気ですか。これ良い本だよね。

  • #2

    mikiyamochizuki (火曜日, 13 11月 2012 08:37)

    お久しぶりです!言葉を覚えるようにピアノを始められますね。そしてシンプルなのが良いです。西尾さんの授業、また受けたいです。