ピアノ選び、行き着く先は

荒れ狂う天気の3連休に、博多駅のJRホールでピアノフェアがありました。生徒のピアノ選びの相談をされる事があるので、電子ピアノから海外の高級ピアノまで勢揃いするこの機会に覗いてきました。上位モデルの電子ピアノを使用したコンサートや、ザウターピアノ(ドイツ製)のセミナーなども企画されていて、商品のPRだけでなくお客さんも楽しめる内容のフェアでした。電子ピアノ選びは、メーカーの特徴と機能をいくらか考慮すれば特に神経質になることはないと思いますが、注意すべきは中古ピアノ。最近は新品ピアノの販売数は減少し、変わりに中古が数多く出回っています。ヤマハやカワイの新品は以前に比べて随分高くなりました。長く続く景気低迷も影響してか、国産グランドの中古などは、どの楽器店でも出せばすぐ売れる状態のようです。オーバーホールの具合と価格の適正は素人では判断のつきにくいところ。中には価格だけ表示され、ほぼ下取りしたままのピアノを置いている店もあります。今回は大型楽器店のフェアで、若干強気の価格設定がされている印象でした。相場より1、2割増の価格は、高級ピアノでは相当な差ですね。ザウターピアノは、ドイツによくある昔ながらの大工のピアノ。懐かしい匂いがするけど、日本では立派な価格がついていてビックリ。音が地味なのにデザインが何やらモダンに進化していてアンバランスに感じました。他にも装飾の施された家具調のピアノがちらほら目につきます。ピアノは視点を変えれば趣向品なので、これから海外の珍しいメーカーのピアノも増えてくるかもしれません。毎日練習するならば、ピアノは極めて実用品です。そう考えると国産ピアノの優秀さと価格の適正さは群を抜いています。コンサートピアノとなれば依然としてスタインウェイが最有力。時に期待を遥かに上回る、潜在能力を秘めた楽器です。ともあれ、どんなピアノでも眠らせずにたくさん弾いてあげること。音を出すのは他でもない自分なのだから。